古本の買取、随時受け付けております。どうぞお気軽にご相談ください。東京 下北沢 クラリスブックス

 

クラリスブックスでは、古本の買取を随時受け付けております。

古本の買取には、出張買取・郵送買取・店頭買取の3つの方法がございます。
お売りいただける本の内容や量、そしてお客様のご自宅の場所等によって、これら3つの買取方法のいずれかで対応させていただいております。

(店頭買取に関しましては、当店の営業時間内であれば、いつでもお持込いただいて結構でございます。お時間をいただき、その場で査定し、お支払いいたします)

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クラリスブックスは、さまざまなジャンルの本の買取に対応しております。

古本買取クラリスブックス 哲学思想

哲学思想関係書籍。古代ギリシャ哲学から、現代思想、社会学まで、幅広く対応。

古本買取クラリスブックス日本文学外国文学

日本文学・外国文学 古典から現代文学まで、いろいろな書籍に対応。各種文学全集も、もちろん買取いたします。

古本買取クラリスブックス岩波文庫・ちくま文庫・平凡社ライブラリー・講談社学術文庫・文芸文庫

岩波文庫・講談社学術文庫・平凡社ライブラリーなどももちろん買取しております。

古本買取クラリスブックス 展覧会図録・美術・アート

展覧会図録・各種デザイン書籍・アート関係・写真集も充実。積極的に買取しております。

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SFや漫画などのサブカルチャー関係。雑誌類、昔のパソコン雑誌、ゲーム雑誌、音楽雑誌なども、もちろん買取しております。

出張買取に関してでございますが、同じ世田谷区内、近くの杉並区・中野区・新宿区・渋谷区・目黒区などへよくお伺いいたしますが、東京都23区、さらに23区以外の地域にも、もちろんお伺いいたします。さらに、少し遠く、立川や日野、川崎市、横浜市にお住まいのお客様からもお声をおかけいただくことがございます。

古本出張買取に関しましては、量や内容、そしてご住所にもよりますが、できる限りお受けしたいと考えております。お近くであれば、段ボール1箱程度でも伺うことが可能です。

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昔の本、おじいちゃん本、おばあちゃんの本、明治大正時代の本、戦前戦中の本、和本などなど、汚くて古い本だからといって、ご自身で処分なさらず、まずは、どうぞお気軽にご連絡ください!

 

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リトルプレス 善き門外漢『ビヨンド』・『千本ノック』、クラリスブックスにて取扱い始めました。

中里仁美さんのリトルプレス『善き門外漢』の新作『ビヨンド』と『千本ノック』、クラリスブックスでも取扱い開始いたしました!

 

beyondshop

 
beyond1
『善き門外漢 ビヨンド』
1部 756円(税込み)
当店のホームページからご注文いただけます。
こちらからどうぞ。

「既刊の『善き門外漢』ではエッセイやコラムなどのノンフィクションを書いていましたが、そこを越えて(beyond)数年ぶりにフィクションを書きました。」

千本ノック

『善き門外漢 千本ノック』
1部 540円(税込み)
当店のホームページからご注文いただけます。
こちらからどうぞ。

「どうでもいいことや、どうでもよくないこと、日常からわきあがる言葉を、脈略あったりなかったりに、ただただノックしました。千はありませんが。」

既刊の『善き門外漢』もまだ在庫ございます。
ホームページよりご注文いただけます。
どうぞよろしくお願いいたします。

善き門外漢

『善き門外漢 vol.0 autumn 2014 vol.0』 –恋とか愛のようなもの–
1部 950円(税込み) こちらからどうぞ

善き門外漢

『善き門外漢 vol.1 spring 2015 vol.1』 –イッツ MY すたいりっしゅ–
1部 950円(税込み) こちらからどうぞ

 

善き門外漢ネット用

『善き門外漢 vol.2』–ちょっとむかし–
1部 950円(税込み)
当店のホームページからご注文いただけます。
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美味しいご飯を求めて・・・古本出張買取でのランチ

古本の出張買取でいろいろな所を回るので、せっかくだから美味しいご飯を食べたい!
ということで、アマゾンのプライムビデオで観まくってハマりにハマっているドラマ、「孤独のグルメ」で紹介されたお店にあえて行くようにしています。

三鷹樹生姜焼き アトムカツ丼

こちらの、テレビ東京の「孤独のグルメ」ホームページを見ています。食べ物のジャンルや、店の場所など、わかりやすく検索することができますよー
http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/

 

古本の買取後に休憩する場所としては、やはり幹線道路沿いのファミレスやファーストフード店が定番。本を縛って運び出すという、ちょっと、いや、時にはかなりの重労働である仕事後なのでゆっくり休みたいし、手もちゃんと洗いたい、そしてなによりも車を停めて食事ができる。そういったチェーン店はこのような欲求にはしっかり答えてくれます。しかし、せっかく近くに美味しいお店があるのであれば行ってみたい。車じゃないと行けない場所ならなおさら。

訪れた街の近くや、帰りに寄れそうな場所に、「孤独のグルメ」のお店がないか、さらっと確認するようにしています。

さて今のところ、「孤独のグルメ」で紹介されたお店の内、3軒に行きました。
まだまだ少ない!機会を見計らって、これからもしっかり食べます!

以下に、訪れた3軒を簡単にご紹介。井之頭五郎を気取り、どの店でもガッツリいただきました。

東京都江東区アトム外観

▲江東区の「アトム」
この佇まい、、、高級そうな超高層マンションが立ち並ぶ場所の一角に、突如として現れた昭和の風情。この外観だけで、ただ者じゃない感満載。

東京都江東区アトム看板

▲店名の「アトム」のところが壊れていて、テープで補修、さらにマジックで修正している。

東京都江東区アトムカツ丼

▲カツ丼定食。
肉体労働後の、安心そして信頼の一品。その他メニューには謎なものがたくさんあったので(ドラマでも登場していた、コスモポリタンなどなど)、ぜひまた行きたいお店でした。店内もドラマで観た通り、そのまま昭和50年代。

実はこの店で食事するためにすぐ近くの道路に車を停めていたのですが、思いっきり駐禁きられてしまっていた。私がいままで食べたカツ丼の中で、一番お金のかかったカツ丼になってしまった・・・

東京都三鷹市外観

▲東京都三鷹市の「お食事 樹」
かわいい入口。夜はお酒も飲める。

mitakareba

東京都三鷹市樹生姜焼き

▲じつは「樹」には二回行きました。立川市の仕入の帰りと、国立市の仕入の帰りに寄りました。上がレバーから揚げ定食と目玉焼き、下が生姜焼き定食。
こちらも安心・安定の味とボリューム。お腹いっぱいになってしまい、帰りの車中では眠くなってしまって、危なかったです。気をつけましょう。
ドラマでは三品定食というものがありましたが、それは夜のメニュー。ぜひ夜も行ってみたい。

神奈川県横浜市友外観

▲「キッチン 友」
こちらは神奈川県横浜市、東急東横線の白楽駅からすぐの商店街、というより昔ながらのアーケードの一角にあります。ちなみに近くに銭湯もあった!

神奈川県横浜市友ミックスセット

どうせなら、ということで、ぜんぶ盛りみたいなの頼みました。(ミックス定食だったかな)
見た目ほど油っぽくなく、味もそれほど濃くなく、 とても食べやすかった。
昔ながらの街の洋食屋さんで、メニューもすごく豊富でした。
なかなか行けない場所ですが、また本の買取があれば、なんとか寄りたい店です。

以上、いまのところ行ってみた3軒。どちらもチェーン店などではない、街の小さなお店。そんなところに、業種は違いますが、小さな古本屋をやっている身としては、どことなく親近感を覚えます。

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2016年7月3日(日)読書会開催、課題図書はバルザック『ゴリオ爺さん』

2016年7月3日(日)、クラリスブックスにて読書会を開催いたします。
課題図書はバルザック『ゴリオ爺さん』になります。

古本買取クラリスブックスバルザックゴリオ爺さん

申し訳ございません。すでに定員に達してしまいました。一旦応募を締め切りいたします。どうぞご了承いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

▲現在、この本は新潮文庫で販売中です。
岩波文庫版は現在品切れのようですが、上下2冊で出版されていました。
『バルザック全集』や、各出版社の『世界文学全集』等にも載っていると思います。

また、昨年出版された、ポケットマスターピースシリーズ3(集英社文庫へリテージシリーズ)のバルザックにも、この『ゴリオ爺さん』が収録されています。

今回の読書会では、特に出版社、訳者の指定はありません。

ご参加ご希望の方は、メール、お電話、ツイッターやフェイスブックよりご連絡下さい。
営業時間中に当店に直接来ていただいても、もちろん大歓迎です。

〜読書会の流れ〜

★19時より開始。一人5分程度で読んだ感想、思っていることなどを話してもらいます。初めての方は簡単な自己紹介もお願いします。

★20時位から少し休憩をはさみ、フリートーク。前半の感想をふまえ、課題図書『ゴリオ爺さん』について、作者バルザックについて、いろいろと思うところを皆で語り合えたらと思います。終了は21時から21時30分位になります。

・参加費 500円(軽食代込み)
・7月3日(日) 19:00開始 終了は21時30分位を予定しております。
・メール info@clarisbooks.com
・電話 03-6407-8506

クラリスブックスの読書会について、いままでの読書会のご報告など、よろしければこちらのページをご覧ください。→http://clarisbooks.com/?mode=f8

皆様のご参加、心よりお待ちしております。

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読書会ご報告、カズオ・イシグロ『夜想曲集』

クラリスブックス店主の高松です。

5月1日に当店にて読書会を開催いたしました。課題図書は、カズオ・イシグロの短篇集『夜想曲集』、今回も多くの方にご参加いただきました。誠にありがとうございました。

カズオ・イシグロと言えば、『わたしを離さないで』『日の名残り』が特に有名で、昨年2015年には新作『忘れられた巨人』を出版した、世界的にもとても人気の作家です。あえて短篇集であるこの『夜想曲集』を選んだのは、そんな大それた理由はなく、単純に読みやすいかな、と思ったからです。また、私高松がいままでカズオ・イシグロの作品を読んだことがなかったので、短篇の方がとっつきやすいかな、と思い、選びました。

古本買取クラリスブックス 外国文学 夜想曲集

私の周りにはカズオ・イシグロの作品を好きな人が多く、特に『わたしを離さないで』は映画も出来がいいようで、よく勧められます。
今回この『夜想曲集』を読んで、カズオ・イシグロってこういう作品を描く人なんだ、と思ってしまいましたが、他の作品をいろいろ読んでいる方に言わせると、『夜想曲集』はちょっと異色の作品で、他の作品とは赴きが違うとのこと。私はこの作品は楽しく読むことができて、いろいろと考えさせられるところもありました。しかし、今回の読書会では、ちょっと苦手、あまり好きじゃない、やはり『わたしを離さないで』や『日の名残り』のほうがいい、という意見も多く出ました。一方、ものすごく面白かった、大爆笑した、という方もいらして、店主の私としては、そういった意味では、とても充実した読書会になったと思いました。

『夜想曲集』は、『老歌手』『降っても晴れても』『モールバンヒルズ』『夜想曲』『チェリスト』の5つの短篇で構成されています。共通する人物がずっと登場することなく、それぞれ個別の作品なのですが、この作品の副題に「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるように、音楽、そして夕暮れがキーワードとなっています。それらはおそらくなにかの象徴で、登場人物の人生や生き方、考え方を表しているのかもしれません。

どの作品とも個性的ですが、特に『降っても晴れても』と『夜想曲』は、ドタバタ喜劇さながら、読んでいてクスクスどころか、思わず声を出して笑ってしまうくらい。そうかと思うと最後の『チェリスト』は、少ししんみりとした作風で、ミステリアスな女性の登場は、他の短篇にはない雰囲気をこの小品に醸し出しているように思えます。

それぞれの作品が一つになって、大きな交響曲を形作っているようにも考えられますが、どうもそこまで造り込んではいないのでは、という気もします。だいたいの作品が物語の着地点をあやふやにしていて、読者からすると、少しもどかしい気もしないでもありませんが、しかしそれはそれで心地よいようにも私には思えました。
『夜想曲』で顔を美容整形していた主人公は、結局どういう顔になったのか、『チェリスト』に登場する、“巨匠”の女性は、一体何者なのか、などなど。私には、着地点をあやふやにしたほうが、特にこの短篇集にあっては、むしろいいのではないかと思えます。
全三巻の分厚い小説で、延々いろいろな出来事が起こって、結局うやむやで終わるというのはさすがに消化不良感満載になりますが、短篇集は、我々読者に考えさせる為の余白を設けてあるくらいがちょうどいいのでは、と思いました。

古本買取クラリスブックス 外国文学 夜想曲集ブログ1

また、やはり外国文学を取り上げたので、訳についても話題になりました。
基本的には、読みやすくていい訳じゃないか、という意見が多かったように思えますが、一方、女性の言葉をことさらに女性っぽくしすぎているのでは、最初の物語の『老歌手』の老人の一人称が「わし」というのは、ちょっと古すぎないか、という話も出ました。物語をスムーズに、そして読者に分かりやすく伝える、という意味ではそのような言い回しでいいようにも思えますが、しかし英語では、日本語のように「〜だわ」とか「〜なのよ」とか「〜よ」のような表現はないし、一人称も「I」だけ。しかしだからといって、すべての「I」を「私」にしてしまっては、やはりおかしい。そして、どうしても日本語では女性っぽさ、男性っぽさというものが言葉にも現れてしまう。そのバランスは実に難しく、かなり根源的な問題なんだと思いました。

ともかく、今回の読書会では実にいろいろな意見が出て、とても充実した会になりました。やみくもに自分の意見だけを押し通すのではなく、考えの違う意見も取り入れ、それによってお互いより理解が深まる、なんだかそんな、ある意味理想的な読書会だったようにも思えます。
このご報告ブログでは、私の力不足で、なかなかその場のライブ感のようなものを表現できず、なんとももどかしい限りですが、プラトンの言葉にもあるように、重要なのは、書かれたものより、その場その場の対話、というわけで、簡単なご報告であること、どうぞご了承ください。

クラリスブックス 高松

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映画『アンダーグラウンド』の衝撃、下高井戸シネマにて。

店主の高松です。
先日、下高井戸シネマで、エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』を観てきました。

1995年公開のこの映画、私はこの奇跡の名作をいままで観たことがありませんでした。公開当時、私は大学生でした。おそらく時間だけは持て余していた時期だったにもかかわらず、なぜか観る機会を逃してしまい、ものすごい傑作であろうという、ほとんど妄想めいた気持ちを心の奥にしまい込んで、あえて内容など目に触れないように、そして映画館でしっかり観たいという気持ちを持ちつつ、結局20年以上、自身の中で封印してきた映画でした。

今年の2月頃から、監督エミール・クストリッツァの特集上映「ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!」が都内の映画館で始まりました。恵比寿ガーデンシネマには行けなかったのですが、クラリスブックスからほど近い、下高井戸シネマにて期間限定で上映されたので、これを逃したら一生後悔する!と自分自身に言い聞かせて、最終日の夜の最後の回に駆け込んだのでした。

古本買取クラリスブックス映画アンダーグラウンド

▲公開当時のパンフレット。少し前、偶然出張買取で入ってきました!

それほど広くない下高井戸シネマは満員で、私はなんとか席に着くことができましたが、急遽スタッフの方が通路に折り畳み椅子を用意して対応していました。昔の映画なので、観ようと思えばDVDなどをレンタルすれば家で観ることができるにもかかわらず、映画館にこれほどの人が集まるということに、なんだかえらく感動しました。

3時間近い上映時間、私にとってはあっという間の物語で、エンドロールが終わって館内が明るくなっても、私はあまりの衝撃と感動で、席を立つことができませんでした。
実は学生の頃(それか、卒業後かも)、まさにこの同じ下高井戸シネマで、それも同じリバイバル上映でしたが、ピーター・グリーナウェイ監督の『コックと泥棒、その妻と愛人』を観た時も、全く同じ状況になったのを思い出しました。

古本買取クラリスブックス映画アンダーグラウンド

陽気な音楽とハチャメチャなカーニバル的狂言回しの数々、そして地獄のような現実をたたき突きつけられる劇的なストーリー展開、そしてラストの大団円。小説で言えば、「幻想的リアリズム」という言葉で表現される、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が脳裏に浮かびました。ほんとうに、衝撃の映画、衝撃のラストでした。

偶然入手したパンフレットに、映画評論家の秦早穂子さんの評が載っていて、その最後の、カンヌのホテルで働く女性の言葉が、あまりにもこの映画を象徴しているので、ここに引用したいと思います。

“『アンダーグラウンド』を観た彼女は、朝食のコーヒーを私に給仕しながら云った。「あなたたちは、祖国がばらばらになってしまうなんて想像もつかないでしょう。私たちはそれすらも、笑い飛ばしてしまう性格があるんですよ。いいえ、そうやってしか、生きのびてこられなかったのです。もっとも昨夜は、『アンダーグラウンド』を観たあと、娘と2人で泣き明かしましたが」
数年来の顔見知りだったのに、このひとが旧ユーゴスラヴィアからの亡命者とは知らなかった。私に言葉はなかった。”

『アンダーグラウンド』パンフレット CINEMA RISE No.60より

現実と幻想が交互に彷徨いつつ、映画という手法によって、時間的・空間的制約すら飛び越えて、とにかく描ききるというその強引さに終始引っ張られ、観終わった後はものすごい虚脱感に襲われつつ、その後じわじわと押し寄せてくる、なんとも言い表せない感情を押さえるのが大変。。。
映画を観ただけなのに、ものすごいことを経験した気持ちになりました。
つくづく、映画は、すごい。

 

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2016年6月5日(日)読書会開催のお知らせ。課題図書は石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』

読書会開催のお知らせ

2016年6月5日(日)、クラリスブックスにて読書会を開催いたします。
課題図書は石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』になります。

古本買取クラリスブックス読書会日本文学苦海浄土

申し訳ございません。すでに定員に達してしまいました。一旦応募を締め切りいたします。どうぞご了承いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

この作品は、現在講談社文庫にて、新装版として販売されております。
また、池澤夏樹個人編集の『世界文学全集 第3集』(河出書房新社)にも収録されております。

この小説には続編がありますが、今回当店の読書会で取り上げるのは、こちらの『苦海浄土 わが水俣病』1冊になります。

いままで女性作家の作品を2つしか取り上げていなかったので(向田邦子『父の詫び状』と柴崎友香『寝ても覚めても』)、また、店主の高松が前々から読んでみたいと思っていたので、今回取り上げることにしました。

 

〜読書会の流れ〜

★19時より開始。一人5分程度で読んだ感想、思っていることなどを話してもらいます。初めての方は簡単な自己紹介もお願いします。

★20時位から少し休憩をはさみ、フリートーク。前半の感想をふまえ、課題図書『苦し海浄土』について、作者石牟礼道子について、いろいろと思うところを皆で語り合えたらと思います。終了は21時から21時30分位になります。

ご参加ご希望の方は、メール、お電話、ツイッターやフェイスブックよりご連絡下さい。
営業時間中に当店に直接来ていただいても、もちろん大歓迎です。

・参加費 500円(軽食代込み)
・6月5日(日) 19:00開始 終了は21時30分位を予定しております。
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皆様のご参加、心よりお待ちしております。

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4月3日、織田作之助『蛍』読書会のご報告

2016年4月3日(日)クラリスブックスにて読書会が開催されました。課題本は織田作之助の『蛍』を取り上げました。

『蛍』は昭和19年に発表され、現在では岩波文庫『夫婦善哉』の中に収録されている20ページほどの短編小説です。前回の読書会がトーマス・マンの『魔の山』、文庫本上下2冊合計1,500ページ余りの大長編。書かれた言葉も違えば長さも違うこの2つの作品が、同じジャンルとして括られて語られてしまうから、小説とは不思議なものだと思います。
『蛍』は幕末を舞台に寺田屋事件として名を残し、坂本龍馬ゆかりの地として有名な舟宿の女将の半生を綴った歴史小説です。主人公登勢が身に降りかかる様々な困難と厳しい時代の渦中にあり、けなげに生き抜いていく姿を描くというよくあるストーリーですが、これにみな胸を打たれてしまうのですから小説とはやっかいなもの、そしてこれを仕掛けた織田作マジックは如何なるものなのでしょう。

古本買取クラリスブックス 読書会 織田作之助 蛍

主人公登勢の母が妹を生んだと同時に亡くなり、妹そして父も相次ぎ失い、14歳にして孤児となり伯父に引き取られるまでが、冒頭の5行ほどで鮮やかに描かれます。スピード感と言葉遣いを駆使し、出だしから我々の度肝をぬいてやろうかという文章です。当店スタッフ含め今回の読書会の参加者の半数は、前回の『魔の山』から続けての参加となったので、『魔の山』では丸々1章、30ページ余りを滔々と費やす主人公の生い立ちを、『蛍』では一息つく間に語られてしまうという長編と短篇の表現方法の違いに、いまさらながら驚かされました。

この冒頭の部分にのみならず、織田作之助の文章の手練手管は我々を魅了して止みません。鍵括弧でくくることなく会話を挿入させ、語り手の目線を作者から登場人物へと自由に行き来させ、関西弁の話し言葉を自在に操り小説の中にとりこみ、庶民の感情のうねりを活写しています。登勢の周りの人物、駄目な夫の伊助、伊助の継母の定、定の実娘の椙、坂本龍馬を始めとする大義に殉ずる志士たち。大なり小なり登勢から何かを奪ってゆく人々、あるいはその時代、それらに耐えてけなげに生きてゆく登勢自身。主人公も含めこの物語の人々の生き方は、現代では受け入れがたい姿だと思います。実際読書会の中でもそれは指摘されました。にもかかわらず作中人物に感情移入し感動をおぼえてしまうというのは、我々が作中の世界のその場所に連れて行かれたからではないでしょうか。

関西の話し言葉の語り口と共に登場人物たちの「声」も強く印象付けられます。不幸の連鎖の中にあり腑に落ちぬくらい登勢の高い笑い声、伊助の吃音、赤子の泣き声、志士の叫び。等々の「声」が生き生きと飛び交うなか、登勢が放つ「あっ、蛍」という印象的なひと言と共に、我々はこの蛍が曳く光の尾のような刹那の物語に導かれたのだと思います。

古本買取クラリスブックス 読書会 織田作之助 蛍

織田作之助の代表作は『夫婦善哉』で、こちらは映画化、テレビドラマ化され有名な作品です。2013年の織田作之助生誕100年の折、NHKでドラマ化されたのをみられた方も多いのではないでしょうか。このドラマのことは今回の読書会でも話題になり、かなり好評でした。
『夫婦善哉』もそうですが、ダメな男とそれに引きずられずるずると流されて落ちてゆく女との道行きを描くのを織田作之助は得意としています。『蛍』は珍しく歴史小説の形をとっており主人公も薄幸ではあるが転落はしてゆきません。織田作之助としては題材とストーリーが異質なものとなっています。この作品は昭和19年、大戦の真っただ中に書かれており、時節柄男女の愛憎劇を書くことが許されず、寺田屋事件を材に取り歴史小説の形で人情の機微を描いたものだと思われます。そう思って読みかえすと作中の坂本龍馬の登場などは唐突な感じがします。『蛍』は不得手な題材ゆえにきめ細かく、ていねいにまとめられた完成度の高い作品になったのでしょう。

今回の読書会参加者は概ね『蛍』に素直な感動を覚えたように感じられました。現代とは相容れぬ生き方を是とした時代に、あるいは是とせざるを得ないように時代に、その時代の要請に応じて書かれた小説の作中人物たちの有様に感銘を受けるというのはどういうことなのでしょう。先に織田作マジックという言葉を使いましたが、それはどのような時代の、どのような人物の、どのような「生き方」に対しても是々非々を下さない「書き方」つまり文体にあるのではないでしょうか。では織田作之助の文体はと問うと、潔い文体、淡々とした文体、たくましい、けろっとしたetc 言葉で表現しようとするとどれもしっくりこないのがもどかしく、手の届かないほど奥深い文体であることがわかり、それゆえ生誕100年を超え読み継がれているのでしょう。

わずか20ページほどの作品を読み、読書会を終えてなおもっと深く分け入って行かなければと宿題を課せられたような気がします。

 

クラリスブックス 石村

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2016年5月1日、読書会開催のお知らせ 課題図書『夜想曲集』カズオ・イシグロ

2016年5月1日の日曜日に読書会を開催いたします。
課題図書は、カズオ・イシグロの『夜想曲集』です。

古本買取クラリスブックス 夜想曲集

申し訳ございません。すでに定員に達してしまいました。一旦応募を締め切りいたします。どうぞご了承いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

カズオ・イシグロは、映画や、日本ではドラマ化もされた『わたしを離さないで』が有名ですが、この本は、音楽を巡る五つの物語が収録されている、2009年に発表された、著者初の短篇集になります。
早川書房のハヤカワepi文庫で出版されています。

〜読書会の流れ〜

★19時より開始。一人5分程度で読んだ感想、思っていることなどを話してもらいます。初めての方は簡単な自己紹介もお願いします。

★20時位から少し休憩をはさみ、フリートーク。前半の感想をふまえ、課題図書『夜想曲集』について、作者カズオ・イシグロについて、いろいろと思うところを皆で語り合えたらと思います。終了は21時から21時30分位になります。

ご参加ご希望の方は、メール、お電話、ツイッターやフェイスブックよりご連絡下さい。
営業時間中に当店に直接来ていただいても、もちろん大歓迎です。

・参加費 500円(軽食代込み)
・5月1日(日) 19:00開始 終了は21時30分位を予定しております。
・メール info@clarisbooks.com
・電話 03-6407-8506

クラリスブックスの読書会について、いままでの読書会のご報告など、よろしければこちらのページをご覧ください。→http://clarisbooks.com/?mode=f8

皆様のご参加、心よりお待ちしております。

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魔の山の麓にて 読書会ご報告(課題図書 トーマス・マン『魔の山』)

クラリスブックス店主の高松です。
3月6日に読書会を開催いたしました。課題図書は、トーマス・マンの『魔の山』。
とてつもなく険しい山道だったため、当日話されたことや、参加者皆さんの意見をまとめるのが困難で、結果、私個人の感想ブログの様相を呈してしまっております。すみませんが、どうぞご了承くださいませ。

当店の読書会で取り上げる課題図書としては、『魔の山』は久しぶりの大著でした。というわけで、残念ながら最後まで読み終えることができなかった方もいらっしゃいました。私はといえば、実は下巻の半分くらいまでしか読めませんでした。店主なのに申し訳ありません・・・ただ、私は大学生の頃、いろいろな本を乱読していた勢いで一度読んだことがあり、今回は約20年ぶりの再読でした。細かいところは忘れてしまっていたので、今回はそういったところをきっちり拾うように読もうと努めました。

魔の山

読まれた方の感想は、基本的には、長かったけど面白かった、登場人物達のやり取りが興味深い、面白いけど難しい内容、終盤になって話が急展開して衝撃、感動。
私自身は、ページをめくるのにとても時間がかかり、読むこと自体はかなり大変なことだったけれど、その内容がとても面白く、政治や歴史や哲学の話など、かなり難解なテーマに関しては理解できないところも多々あったにもかかわらず、その雰囲気に飲み込まれてしまい、難しく、そして長い小説にも関わらず、しっかり物語が面白いと感じることができました。ただ、いわゆる教養文学というだけあって、話はそれ以外にも植物や科学、医学、音楽など、本当に多岐に渡るため、もう少しまとめられなかったのかな~と思うところもありました。
読み進めるのが “ 大変だった ” というのは、やはりそこにさまざまな哲学・政治に関する専門用語等が出てくるからだと思われます。ただ、具体的な内容はともかく、そのようなテーマをストーリーにうまく練り込むことに成功していて、対話の部分だけを切りとれば、プラトンの対話篇を私は思い出しました。

今回読書会を開催し、トーマス・マンの『魔の山』という作品は、いわゆる教養文学という名前で片付けられるものではないのではという考えが、皆と語り合うことで改めて実感できました。
教養文学というものが、まだ世の中を知らない、社会に出たことのない青年が、いろいろな経験、大人との交わりや恋愛などを通じて、一人の自立した人間として成長する物語だとしたら、この『魔の山』にはもっともっと奥深いテーマが潜んでいるように思います。確かに主人公ハンス・カストルプを軸に物語は展開していき、その内容は多岐にわたる為、大学の一般教養課程の様相を見せますが、その専門性、現実性は教養という言葉では捉えきることのできない、とても深遠なもののように思えます。
また、参加者の多くの方のご指摘のように、この小説では、時間というものが重要なテーマになっています。作者トーマス・マンの時間についての言説が作中多く登場し、主人公ハンス・カストルプが数週間の滞在のつもりが、結局七年も留まることになるということを冒頭に宣言するあたり、数週間が長いと感じることもあれば、7年間が短いと感じることもある、そういった時間感覚の曖昧さ、しかし一方で時間は客観的に一定のリズムで進むという不思議さ、このどこか矛盾する時間という概念が、結局のところ、この作品の最初から最後までを貫いているように思われ、また、作者トーマス・マンが、この『魔の山』を結局15年もの年月をかけて書き上げたという事実も相まって、なおのこと、この作品のテーマは “ 時 ” なのでは、と思えてしまうのでした。

ただ最終的に、この小説は、何か世界に対して警鐘を鳴らしているというか、何かを訴えているように思えてなりません。第一次世界大戦を経験したヨーロッパに対して、そして世界に対して、疑問を投げかけているように思えるのです。「このままでいいのだろうか」と。

ギリシア文化とヘブライ文化の融合の結果としての、知性溢れるヨーロッパの人文主義、そして進歩主義に満ちた彼らが体験した第一次世界大戦という地獄絵、それにより自らの文化と文明が根底から覆される恐怖と失望、そしてそれをいかに人類は克服し、平和で豊かな世界を築くことができるのか、あるいはできないのか、この小説は、最終的にはそこを読者に問いているのだと考えられないでしょうか?もっと言えば、人間はこの先正しく進むのか、自らの首を絞めることなく、発展してゆくことができるのか、否か。
残念ながら、戦争というものは人類の歴史が始まった時から途切れることなく現在もずっと繰り返し行われている行為ですが、様々な科学技術の発達、ダイナマイトの発明など、第一次世界大戦は、いままでの戦争とは全く次元の違う悲劇を生む結果となり、このことが、『魔の山』にとても大きな影響を与えているのだと思います。

作者トーマス・マンは、この『魔の山』を書き始めた当初、『ヴェニスに死す』と対になるような、ユーモラスな小説に仕上げようと考えていたようですが、結局完成までに15年を費やした大著となり、自身の代表作にもなったのは、やはり第一次世界大戦を経験したことが非常に大きな要因だったと思います。

魔の山読書会画像1

物語ではいろいろな出来事が起こりますが、それらはどれもどこかユーモラスな雰囲気があります。主人公ハンス・カストルプがある女性を好きになり、彼女の一挙手一投足が気になって仕方がなく、体温もぐんぐん上がってしまう描写、延々と繰り広げられる知識人たちの不毛な論争、心理学万歳という姿勢で大演説を展開する医者、女性のふくよかな胸の谷間が気になって鼻歌を歌い始めるおじさんなどなど、『魔の山』というタイトルに尻込みして、身構えて読み進むと肩すかしをくらうようなコミカルな展開に、なんだかホッとしてしまうのでした。
死というものが身近に存在するサナトリウムという場所であるにもかかわらず、いや、そうだからこそ、そこでなされる会話や出来事、事件すべてが、どこか地上界と隔絶された、浮世離れしたものに感じられ、結局金持ちの知的なお遊びといったような風に思われつつも、もしかするとそういったことすべては、19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパにおける知識階級の停滞した雰囲気を暗に表現しているとも感じられ、物語の最後の方で急展開を見せる悲劇的な出来事の数々は、世界大戦という怪物が黒幕で、これは推測ですが、この大戦勃発を目の当たりにしたトーマス・マンは、作品に大幅な加筆訂正を加えて最終章を描ききり、当初のゴールとは異なるところを目指すために大胆に舵を切ったのではないかと思えてなりません。

トーマス・マンおよび『魔の山』に関する研究書を紐解かないとわからないことだらけで、さらに言えば、どれだけ研究しつくしても結局わからないことばかりのような、なんだか富士の樹海のような魔の山の麓で右往左往している我々は、今更ながら、よくこの作品を読書会の課題図書に取り上げたものだと、怖い者知らずの自分たちを恥ずかしく思いますが、一方、こうして参加者の皆様と共にこの大著について考え巡らすことができる機会を作ることができたのはとても幸せなことだと思います。
重ね重ね、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。

 

クラリスブックス 高松

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