こんにちは、石鍋です。2月22日から、茨城・水戸芸術館で開催される「拡張するファッション展」をご存じでしょうか。長年、ファッションを軸とした現代的なクリエーションの現場を見つめ続けてきた林央子さんの、同名の著作を元にした展覧会です。
じつはこの「拡張するファッション」、個人的にとても思い入れの深い本でして、数カ月前からブログで紹介したくてしたくてうずうずしてました。紹介します!
「拡張するファッション」
林央子/著 服部一成、田部井美奈 ホンマタカシ/カバー写真
2011年 ブルース・インターアクションズ
著者の林央子さんは、1980年代末より資生堂の「花椿」誌の編集に13年間携わり、2001年以降はフリーランスの編集者・ライターとして活動しています。2002年に立ち上げたインディペンデント出版のプロジェクト「here and there」は、2014年現在までに計11冊を刊行。現代的なクリエーションの前線から届く様々な声を、服部一成さんのアート・ディレクションが包み込む、素敵な個人誌です。
彼女の1990-2000年代にかけての様々な考察と報告を凝縮した、クリエイティブファッションのドキュメント。それが「拡張するファッション」です。コム デ ギャルソンやマルタン マルジェラ以降の、ファッションにおけるクリエイティブなシーンと、その周辺の写真家やアーティストの声、雑誌媒体の動きなどが、特に1995年を起点として見事に捉えられています。
ミランダ・ジュライ、ソフィア・コッポラ、キム・ゴードン、X-girl、ヒロミックス、長島有里枝、リタ・アッカーマン、BLESS、COSMIC WONDER、パスカル・ガテン、コム デ ギャルソン、マルタン マルジェラ、ヴォルフガング・ティルマンス、スーザン・チャンチオロ、「Purple」、エレン・フライス、ホンマタカシ、マーク・ボスウィック、Nieves、ZINE、etc.
以上は、同書の帯に記された人名・キーワードですが、いずれかにでも心が動いた方には必携の一冊。それと、ほとんど心が動かなかったという方も必携。僕自身は、この本を初めて手に取ったときは実は後者の一人でした。が、序文を読み終える頃には、これは自分にとって大事な本になるぞと直感しました。そしていまではこの本は、自宅の本棚のなかでいちばんよく目につく上から三段目の真ん中あたりに、堂々とささってます。背表紙が実にかっこいい。
昨年うまれたクラリスブックスという場で、この本にまつわる特集を、この本にまつわる展覧会の開催と合わせて、こじんまりとパーソナルに始められたことは、とても嬉しいです。嬉しいついでに、せっかくの機会なので、この本にまつわるすこし個人的なエッセイを書いてみようと思います。何回かに分けて当ブログにて掲載しますので、もしよければご一読ください。
*「拡張するファッション」のこと vol.2 こちらからどうぞ
*「拡張するファッション」のこと vol.3 はこちらからどうぞ
*「拡張するファッション」のこと vol.4 はこちらからどうぞ
また、クラリスブックスでは、この「拡張するファッション」に登場するアーティストたちや、その周辺の人々による書籍・写真集・アートブック・雑誌などを集めた特集コーナーを店舗とホームページ上にご用意しました。すでに売り切れてしまったものもありますが、ご興味がおありの方はぜひご覧くださいませ。
*まだ未整理で、上記特集に載っていない商品も多数ございます。近日中にアップ予定ですので、お楽しみに。
よろしくお願いします。
石鍋
▼ 拡張するファッション展(水戸芸術館 現代美術ギャラリー) 詳細はこちら
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