文・クラリスブックス 高松

最近、なんだかずっと本を運んでいる。暑かったり、ちょっと涼しくなったりする8月から9月、会社の移転やお引っ越しされる方からの古書の買取のご依頼で、せっせと本を運んでいる。
当たり前だが、本は重い、ものすごく重い。そうは言っても、本の買取がないとうちの店はやっていけないので、買取でお呼びいただけるのは、とてもありがたいことである。ただ最近、こちらの体力が持つかどうか、ちょっと心配になってきた。

年齢を重ねると、いままでできたことができなくなってくる。そんなこと、今まで正直あまり考えたことがなかったが、40を過ぎたころから、寝ても疲れが取れなかったり、筋肉痛が直らなかったり、そして、古本屋は必ず経験するであろう腰痛に見舞われたり、特に肉体的な疲労が激しい。そんなことだから、本を運んでいる毎日、いつまで体力が持つだろうかと不安になる。

古本買取クラリスブックス

ただ古本屋としては、40代は若い方である。古書組合の市場に行くと、60までは若手扱いになる世界、40代など、若輩者もいいところ。私より年上の先輩たちはぐいぐいいつも本を運んでいる。頼もしい限り。もちろん年齢と共に体力的には衰えてくる。しかしその衰えに抵抗することなく、ある意味柔軟に身を任せる。古本屋はとても自由な商売なので、扱う本を変えていったり、販売方法を多様化することで、その衰えに逆らうことなく身を任せることができる。そこには、体力の衰えと引き替えに得た、知識と、そして経験がものを言う。

パソコンの画面をずっとみているような仕事はしたくないので、体力の続く限り、本を運んでいたい。ただ、私も知識と経験をしっかり身につけたいものである。

 

文・クラリスブックス 高松