こんにちは。

先日、手帳を新調し、生まれて初めて「手帳カバー」でそれをカバーしました。

なぜそんな近況報告をお店のブログでわざわざするかというと、下北沢のハンドメイド革雑貨のお店「シンプルソング」を紹介したいからです。

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▲ 右が、シンプルソングの手帳カバー。左が、同じくシンプルソングとクラリスブックスがコラボしてつくった栞。

シンプルソング Simple Song は、下北沢で商品デザイン・開発、ハンドメイドでの商品制作・販売その他業務すべてを店主の中村文彦さんが一人で行っている、革製品のハウスメイドブランドです。レザー、というと「高価」あるいは「ゴツい」といった印象をもたれる方も多いと思いますが、シンプルソングの商品は、その名のとおりシンプルでシュッとしています。そのうえ実に機能的。かばん、お財布、ブックカバー、ペンケースなど、お店に並ぶ品々を手にとってみると、これはまたずいぶんと「使う人」の側に立ってつくられているなあ、と驚いてしまいます。たとえば、九種類もあるお財布。長財布、四ツ折、コインケース、と大まかに分類するだけでなく、容量や機能やデザインや使い勝手の違う商品を細かく取り揃えているのです。どのような人がどのような場面でどのようにこれを使うのだろうか、と試行錯誤しながら革や型と睨めっこする作り手の姿が目に浮かぶようです。シンプルソングはお店の奥が工房になっているので、目に浮かぶどころか丸見えかもしれません。

さて、もともとシンプルソングの革製品の大ファンだったクラリスブックスの店主・高松に連れられて、僕も今年の夏頃に初めてお店を訪れたのですが、その日からずっと胸に秘めていた想いがありました。

「12月になったら手帳を買って、あの手帳カバーでカバーするんだ!」

手帳カバーにひとめぼれ。夏に手帳を新調するわけにもいかないので、ひたすら寒くなるのを待ちました。

そしてようやく師走。満を持してハンズの手帳コーナーへ。しかしここで予想外の困難に直面しました。というのも、僕はデルフォニックスの見開き月間ブロックとメモ帳だけの手帳が好きで、ここ五年ほど毎年色違いのやつを使ってきたのですが、これはリング装なので手帳カバーではカバーできず、今回は違うものを選ばねばならなかったのに、昨今の手帳は意味不明な機能がごちゃごちゃ付いたものばかりでなかなかコレといったものが見つからないのです。

僕は、シンプルソングの手帳カバーに、シンプルじゃない手帳を挟むのは絶対にいやでした。だからがんばって探したのですが、一見シンプルに見えるものを見つけたかと思いきや、何かしら余計なおせっかいが紛れ込んでいて断念。30分くらいそれを繰り返しているうちに、自分がどれをチェックしたかもここに何をしにきたのかもわからなくなってしまいました。

「ほら使いやすいでしょ」「こう使ってね」「こういうの待ってたんでしょ」「ここにこんなこと書けるのよ」「みんなこういうのがいいっていうの」「こんなにがんばったんだから買って」

効きすぎた暖房のせいで頭がぼんやりしてそんな声まで聴こえてくるようで、疲れがどっと出て諦めて帰りかけた寸前、なんとか納得できるものをようやく見つけられたのでした。

数日後、シンプルソングで手帳カバーを買いがてら、あらためて店内の商品を眺めてみました。いろいろ考えていろいろな想いを込めたはずなのに、できあがったものはこんなに寡黙でシンプル。煩い主張の一切ない、説明不要の使いやすさ。そして丈夫さ。店主の中村さん曰く、「日用品として気軽に使ってください」 すばらしいことです。

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▲ 後日、クラリスブックスにご来店いただいた中村さん。プレオープンにも来てくださいました。 どうもありがとうございました。

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▲ お昼頃、クラリスブックスの窓際にはあたたかな日だまりができます。「あの椅子で一時間くらいぼーっとしていたいですね」と中村さん。どうぞどうぞ。

手帳カバーを購入してからというもの、用もないのに嬉しくてついつい何度も開いたり閉じたりしてしまいます。中村さんは「経年によるレザーの自然な風合いを楽しむためにも、気兼ねなく、なるべく手荒に使ってください」というようなことをブログで書いておりました。それを長きにわたって実践しようと思います。

シンプルソングはとても落ち着く空間です。いつもすてきな音楽が流れています。下北沢へ遊びに来た際は、ぜひ行ってみてください、そしてできればクラリスブックスにも寄ってください!どうぞよろしく。

シンプルソングのHPはこちら

石鍋