声優の深森らえるさんを講師にむかえ、7月13日にトークレクチャー「音と言葉の実験室」が開催されました。ご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。

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実際の演劇用練習題材や脚本等を参考に、声に出して他人に情報を伝えるというコミュニケーションに焦点を当て、自分の口から発せられた言葉が相手にどのよ うに伝わるのかを考える。というのが今回のレクチャーの主旨です。

「ばか」という言葉が音として発せられるとき、様々な思いを言葉にのせ、相手に伝えようとします。深森さんがいくつかキャラクターで演じ分けた「ばか」という言葉を聞いて、どのような思いが伝わったかみんなで考えてみました。あきれた感じや、切ない思い、切羽詰まった感情など、きっちりと演じ分けられた「ばか」は参加者のみなさんにほぼ共通に受けとられました。声優の技量により声の速さや、大小、高低をコントロールされた、いくつかの「ばか」という言葉が異なった感情を伝える場面を目の当たりにしました。

さてそこで次に実際に自分の声をコントロールする練習が行われました。「あめんぼあかいなあいうえお」という一文を音の速さ、大小、高低を5段階にわけて発声してもらうという稽古を抜き打ちで参加者のみなさんにやっていただきました。いきなり最大級の声を張り上げなくてはならなくとまどう方も。話を聴いていればいいのかなと思っていた会が、いっきに緊張感あふれるアクティブな場に変貌しました。

休憩をはさんで後半は映画「ローマの休日」の台本の一場面を使ってセリフの練習です。参加者全員に一つのセリフを割りふります。最初は普通に読んでもらい、講師に声の出し方と感情の表現をコーチしてもらいます。最後に全員で通しで演じてもらい、映画のシーンが鮮やかに完成されました。いきなりの実践に戸惑われた方もいらっしゃるかと思いますが、棒読みの自分たちのセリフが、豊かな感情表現を獲得してゆくことは貴重な体験となったのではないでしょうか。
今回のレクチャーでは講師の深森さんから、お客様にも少し声を出していただくかもしれないと事前に聞かされていたのですが、思っていた以上に参加型のものとなり、全員が声を発し、声の表現を学び、「自分の声」を知るきっかけとなったと思います。

深森らえるさんは企業向けセミナー等で声の講座の講師を務められており、今回のような1回限りのみならず、複数回のレッスンも行っております。今後も当店を使っていただき講座を開催する予定です。次回は秋の開催を予定しております。今回の講座とはまた趣向を変えた内容のものとなるそうなので、いちど参加されたにもお勧めできるかと思います。正式な日程が決定いたしましたらブログ等で発表いたします。

石村

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