こんにちは。写真集・ファッション・サブカル関連などを担当している石鍋と申します。先日クラリスブックスHPにて、「90’s~ Girly Culture」という特集をやや赤面しながらもアップしました。

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▲ こちらのページです。ご覧いただければわかりますが、かなり「ガーリー」なラインナップです。

7~8年前、ゴダールや小津安二郎を知り、蓮實重彦の文体を必死で真似ようとしていた文学部学生の私がこの特集を見たら、小首をかしげたことでしょう。15~6年前、スプラッター映画や漫☆画太郎が好きだった高校生の私なら怒りだしたかもしれません。

この若者たちに何を言っても無駄です。どちらもけっして悪いヤツではないのですが、視野が狭いというか前傾姿勢すぎるというか余裕がないというか。その点いまの自分はどうかというと、なんと、やはりほとんど変わっていないとこれを書きながら気づきました。いや、視野についてはすこしは広がったようで、「90’s~ Girly Culture」特集はその証拠のひとつといえそうです。

ロンドンで「バッドガールズ」展が開催され、プラダがミュウミュウをスタートしたのが1993年。キム・ゴードンがX-girlを、ソフィア・コッポラがミルクフェドを立ち上げたのが1994年。ヒロミックスが「写真新世紀」で荒木賞を受賞したのが1995年。渋谷パルコで「ベイビー・ジェネレーション」展が開催されたのが1996年。

かたや、そんなこととはつゆ知らず、思春期の私は腹痛と不眠に悩まされ、毎月部活で奥多摩の山に登り、何もわからないくせに世の中の90%くらいを憎み、「地獄」というタイトルの漫画をキャンパスノートに描き殴っておりました。

そんな少年も時の流れとともにぶじ三十路に突入し、二児の父となりました。いまや私の関心は、もっぱらあの少年が見逃していたものへと注がれています。彼が愚かにも世界のすべてと思い込んだものの裏側にあった場所、確かに登ったはずの山の、彼が選ばなかった道へと。その道では、いったいなにが起こっていたのだろうか?

そんな思いから、私は90年代という時代に再び目を向けることになったわけです。

”Girly Culture” という言葉は、90年代後半のガーリー・フォトのブームなどでかなり乱用されたこともあって、なんとなく抵抗のある方も多いかもしれません。しかし、90年代前半に端を発する ”Girly Culture” は、確固たる潮流として爆発的に拡大し、いまもなお様々な分野に影響を及ぼし続けています。「90’s~ Girly Culture」の、「~」がミソなのです。

まだ特集に登録した商品数は少ないですが、今後もっと増やしていきたいと思っています。また、ほかにもさまざまな形で 90’s から始まる文化を特集するつもりです。実店舗オープンに向けて、あえてHPには公開していない本もございます。

みなさま、どうかお楽しみに。

石鍋