1月13日の月曜日の夜、クラリスブックスにて初の読書会を開催いたしました。課題図書はシェイクスピアの「マクベス」。さすが古典だけあって、話はいろいろなところにとび、大変盛り上がりました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

この催しの前身は、店主の高松と私とが以前より参加していた読書会です。だいたい2ヶ月に1度位の頻度で、今回のように課題図書を1冊決め、それについてみんなで論じ合う場合もあったり、各人が自分のお勧めの本を持ち寄り紹介したりする会でした。ただし行う場所がファミレスであったり個人宅であったりとさまよう読書会でした。ファミレスだと騒々しいし、個人宅だと恐縮してしまいます。そろそろ読書会としての安住の地が欲しいかなというのが、まず経緯としてあります。

クラリスブックスを開業するにあたり、書籍を販売するだけではなく古書店という業態を生かし何か催しを行いたいというのが、店主をはじめスタッフ一同の共有した思いでした。読書会もその催しの構想のひとつとなりました。そして昨年の10月の終り頃に前回の読書会が開かれたのですが、その時に私が「次回の読書会はぜひクラリスブックスで開催しましょう」と言ったら、いいですね!ということになり今回の開催となりました。(でも10月の時点ではまだお店の内装工事も始まっていなかったのですが)

というわけで、1月13日19時より第1回クラリスブックス読書会開催となりました。
夜からということもあり、少し軽食を用意しました。当店と同じ下北沢一番街にあるパン屋「ミクスチャー」さんのおいしいお惣菜パンを用意してもらいました。

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それでは軽く食事をしつつ、読書会の開始です。今回は総勢6名集まりました。棚を動かしてテーブルを置くと、何人くらい入ることができるかなと思っていたのですが、どうやら10人くらいは入ることができそうです。

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進行はまず課題図書「マクベス」を読んだ感想を、持ち時間ひとり5分で語っていきます。ここで幾重もの「マクベス」像が形作られていきます。これが独りで読むだけでは得ることのできない読書会ならではの醍醐味です。

あっ、ちなみに今回課題図書が「マクベス」になったのは、なるべく古典の作品をやろうということと、大作は大変だから薄いものにしようということで、じゃあシェイクスピア、それで「マクベス」みたいな選択です。

発せられる言葉の裏表の意味に翻弄され、悪の道へと運命に弄ばれるマクベス。

正から悪へのマクベスの変貌、拭えない罪の意識から崩壊へと至る彼の内面、自我といったものに、当時作者、及び鑑賞するものはどれほど意識的であったのか。

登場人物のマクベス夫人の描写から1600年代当時の女性の扱いを視るという女性ならではの意見も。

時間が無くて漫画でマクベスを読んでいまいちであった、という大胆な意見も飛び出しました。逆にこれは原作にどれほどのマジックが仕掛けられ、読み継がれているかを示しているのではないかと思いました。

思い思いの語りから、悪党マクベス像が浮かび上がってきました。

この作品発表当時のイングランド王ジェームズ一世が、マクベスを倒した後のスコットランド王を祖先に持つことからこの王におもねって、史実以上の悪党にマクベスを仕立てたという説があります。これはある程度事実なのでしょうが、それならマクベスを倒した側を主役にすれば良いわけで、あえてマクベスをタイトルにしたのは単なる勧善懲悪の物語にはするまいというシェイクスピアの思いがあったのではないでしょうか。

(と語り合いながらむしゃむしゃと食べるツナサンドがおいしい。。。)

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ひととおり全員の語りが終了して、ちょっと休憩して後半はフリートークです。

マクベスの映画、演劇作品について後半はスタートしましたが、話はどんどんマクベスから離れ拡張し、演劇論、アートについて、様々に飛び交うトークは何故か最後に「源氏物語」とラーメンズに着地した模様です。(ハムチーズサンドとポテトをつまみながら)皆の話に聞き入り翻弄されているうちにいつの間にか22時をすぎていました。あっという間の3時間。最初の読書会は無事終了いたしました。

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最後はみんなで記念撮影!

一冊の書物を自分の中で消費していくよりも、さまざまな経験を積んだ人たちが集まり、語り合うほうが、色々な「読みかた」を吸収できるし、ひとりの読書時間の視野を拡げることにもなると思います。3時間という長丁場を人と語り合う場書と時間はなかなか取れるものでは無いと思います。当店がその場所と時間を提供することでその気軽に参加できる環境作りに役に立てるよう、今後も続けていくつもりです。どうぞよろしくお願いいたします。

次回の読書会は2月2日(日)19時からを予定しております。
課題図書はプラトンの「饗宴」です。
詳細は追って告知いたします。興味のある方はぜひご参加下さい。

石村

 

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